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AC解決法 4


 

怒りを感じられない、という方へ

 

怒りを感じないということはありえないし、自分でもその理由はわかっていると思います。

それは、感情にフタをしているからであり、フタを開けるには相当の覚悟が必要で、

もしフタを開けてしまったら平気ではいられないという予感があることも。

 

しかし、

そのフタを開けてまずは怒りを放出させないと、いつも抱えている不全感(自分が自分じゃないような、一致しない、我慢している、相手を優先し自分をないがしろにする、孤独感、問題を先送りにする、など)は解消されず、どこか自分の人生を満喫できないような、なにか満たされない思いを抱え続けることになる、というのがACの考えではあります。

 

ただ、否認してフタを開けずに人生を閉じるのもあなたの選択です。でもたぶん、中途半端は望ましくないとは思います。

 

ボクの話をすると、ボクは幼いころ親の事情で6歳のころから自炊せざるを得ませんでした。食事、風呂、洗濯、掃除、学校のことなどなどほとんど自分でしなければなりませんでした。そんな、今では過酷だったなと言える生活を止めたくて(当時は無我夢中というか、他に術がなかったので)、16歳で一人暮らしをして大学を卒業するに至りました。だから親と同居した期間は15年程度でしょうか、親とのスキンシップや思い出と呼べるエピソーゾの数に限りがあり、親との楽しかった記憶は物足りないと感じます。むしろ、いつもさみしさや不安、恐怖に慣れ親しんでいたので、予測不可能な毎日が当たり前といった感覚が身についてしまい、安心して過ごすとか、ケアしてもらうとか、頼る、助けを求めるという感覚がわかりませんでした。なんでも自分ひとりの力でやり遂げなければならないと思い込んでいたので、いつも緊張感があり、人間関係における最も大切な、信頼する・されるという感覚を身につけることが難しかったです。

 

だから、いつも怒っていました。なぜ自分は親から大切にされないのか、なぜ気持ちをわかってもらえないのか??という、自分では答えの出せない疑問を子どもの頃から頭の中で繰り返していました。

 

そのため、持って行き場のない怒りを何とかしたくて過食しました。食べて食べて食べまくりました。そんな食べることでしか表現できない当時のボクは、なぜ自分がこんなにも食べ続けるのかわかりませんでした。

 

また、よく物を壊していました。アパートの壁を蹴り壊したり、窓ガラスを叩き割ったり、お皿やコップ、車をへこましたりもしました。適切な怒りの表現や抑制するということのコツも親から教われなかったのです。だから人とのコミュニケーションは怒りがベースにあり、攻撃的で自分をわかってもらいたいと一方的に主張することしかできなかったため、友だちとよべる人はいませんでした。