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AC解決法 9


 

なぜ、否認するのか?

 

ACがもつ認知の歪みとしての否認は、なぜ身につける必要があったのでしょう?

 

端的に言えば、傷つかないようにするため、心が崩壊しないようにするためです。

 

 

心という精神世界の話をしても、今一つ具体性に乏しい感じが否めませんが、

 

きっと心という、私たちを私たちとして存在させるために必要な

 

世界共通の守るべき大切なエネルギーなんだと思います。

 

たとえば、心が元気ならエネルギー値は高いでしょうし、低ければ落ち込んでいるとイメージできます。

 

だから、困っている人を見かけたり、障害や病気を患っている人を、助けたくなるのはエネルギー値が高い人が低い人を引き上げようとして、世界のバランスを保とうとする、人間の本能が働いているのかもしれません。

 

 

そこでACなのですが、ACが育った環境(世界)に目を向けてみると、たいていの場合、その家庭・家族は機能していないことがあります。機能していないというのは、親もしくは親のような存在の人が、その役割を果たしていないことで、子どもに負担がかかっていることを言います。

 

例としては、親が子どもの面倒をみないとか、子どもを八つ当たりの対象にするとか、いつも親は不在とか、秘密があるとか、その家庭だけの厳格なルールがあるとか(破ると体罰アリ)、家事や育児を子どもにさせる等といった日常が考えられ、そんな子どもは、自由奔放で緊張がなく、安心して「居られない」生活を強いられ、責任を負わされ、我慢しなくてはならず、精神的にも身体的にも悪影響があると推察されるのです。

 

子どもは弱い存在です。親が守らなければ生きていくことが厳しいのです。しかし、これまでカウンセリングで伺った何千という物語は、過酷で不安定、冷たく殺伐としていたり、他の家庭にはない独特なルールで縛るような家庭が多く、そんな環境を生き抜いて大人になった人が身につけざるを得なかった否認という「技術」(生きるために必要だった)を、誰が責められるだろうといつも思います。

 

でも、現実的に否認することで生きづらさが増しているのも事実だから、なんとか否認することを止め、自分の感情を認めて、ストレス耐性を身につけていきたいものです。