アダルトチルドレンについて


 

本ページでは、図やイラストを用いてアダルトチルドレンについて詳しくご説明いたします。

アダルトチルドレンとは簡単に言うと、子ども時代に親から学んだことが大人になって通用しないことで生きづらさを感じることを言います。

そんな生きづらさから抜け出し、過去にとらわれず今を楽しめるようになるために解説します。

お読みになられて、もしわかりづらいところがあればお問合せ下さい。それでは順を追って見ていきましょう。

 

 

 

アダルトチルドレンの特徴


 

ではまずアダルトチルドレン特有の反応の仕方や考え方、行動や感じ方の特徴から見ていきましょう。

 

・人と仲良くするのが難しい

・ひとつの物事を最後までやり遂げることができない

・相手に「認めてもらいたい」という気持ちが強い

・「わかってもらえない」と常に感じている

・自分の感情表現の仕方がわからない

・人の輪の中にいると逃げたくなる

・自分の居場所がない

・何かに依存してしまう

・衝動的に行動してしまうことを止められない

・いつも足かせがあるように感じる

・自分を肯定できない

・「ほめことば」を受け入れられない

・いつも人間関係を壊してしまう

・強迫的に自分を責めてしまう

・「きっと~になるに違いない」と常にネガティブな考えをしてしまう

・自分の思いを「適切に」伝えられない

・相手をコントロールして自分の思い通りにしたいという欲求に執着する

・いつも「ダメな」男(女)を好きになってしまう

・自分や相手を『信じる』ということがわからない

・『愛』がわからない(怖い) などなど...

 

たくさんあって頭が痛くなっちゃいますね(笑)この特徴は『自分はおかしいんじゃないか?』『人と比べて劣っているんじゃないか?』という風に悩み、ひとりでモヤモヤしている人から伺った相談内容を箇条書きにしたものです。こんな生きづらさが一つでも減れば、ずいぶんと楽になりますよね。

 

では次に、アダルトチルドレンを表す3つの主要なことばを用いて説明してみましょう。

 

境界線(きょうかいせん)

共依存(きょういぞん)

恥辱感(ちじょくかん)

 

 

 

健全さと不健全さを分けるもの『境界線』


 

図1~3の「◯(マル)」の触れ合いは『健全な境界線』を表しています。

 

 

図1は、“健全な境界線”をもつ者同士のかかわり合いを示しています。

このかかわり合いでは、お互いの境界線が“つかず離れず”といった具合に、相手の境界線を侵すことなく保たれています。

 

 

次に図2は、お互いの境界線を超えてはいるものの、融通性があり、お互いの欲求や権利が満たされるのを「許し合って」います。

 

つまりお互いが許可し合った上でお互いの境界線を超えていて、たとえ境界線を超えてもお互いのことを尊重し合えている状態であると言えます。

 

これはお互いが『信頼し合っている』ということになり、「自分がされて嫌なことは、相手にもしない」というルールが保たれている関係性となります。

 

 

 

そして図3では、図1~2の状態を行き来したり、たとえケンカをして相手から離れたりしても、すぐに元の状態に戻れる状態であると言えます(三角形の関係性を自由に動ける状態)。

 

この境界線の状態であれば、親密さを保ちながら、その境界線の強度にはしなやかさや温かみのある『信頼感』が感じられ、

 

それぞれが「ありのままで存在する」ことを尊重し合えていると言えます。

 

また「過度に相手に期待しない」「相手を自分の望む型にはめようとしない」状態であるとも言えます。

 

アダルトチルドレンの悩みに境界線の感覚がわからないという声が多いため解説してみました。見てみていかがでしょうか。 

 

 

 

 

では、図1~3に対して図4不健全な境界線(からみあう)とは、どのような状態なのでしょう。

 

図4での境界線は、『不健全な境界線』の状態を表しました。

 

不健全な境界線の状態を箇条書きにしてみましょう。

・相手の境界線を「無許可」で侵入する

・相手を尊重しない

・相手と「条件付」でかかわる

・相手を自分の「所有物」として扱う

・相手を自分の思うように「コントロール」する

 

 

相手の境界線を「無許可で」侵入する

相手を尊重しない

相手と「条件付」でかかわる

相手を自分の「所有物」として扱う

相手を自分の思うように「コントロール」する

 

 

見てみて思い当たる項目はありましたか。こうやってイラストで見てみると、自分が子どものころに親からされていたことが、いかに今の自分に悪影響を及ぼしていたかわかるかもしれません。不健全な境界線では、親が子の境界線を守らず一方的にコントロールします。ただ子も理屈では理解できないものの感覚ではなんとなくおかしいことは感じていて、成長とともに不健全さに気がつき、親からされたことに怒りを感じたり恨みに思ったりすると考えられます。

 

 

(まとめ)

 

・『境界線』には、健全と不健全という2つの種類がある

・自分と相手を「あるがままに認め合う・尊重し合う」ことが大事

・自分がされて嫌なことは、相手にもしないというルールの有無

・『不健全な境界線』にはたくさんの良くない種類がある

 

共依存から抜け出す!


 

共依存とは、自分と特定の相手との関係に依存していて、それでないと生きていけないと思い込んでいる状態です。問題を見て見ぬふりをして平然としていたり、相手に執着して自分が必要とされることに躍起になったりします。

暗黙の了解のもと問題を放置して、一方がマウントを取るのが当たり前だったり一方の自己犠牲のうえに成り立っていたりします。境界線は不健全で親子や夫婦、恋愛や不倫によくみられる関係性です。

 

そして共依存は、機能不全家族(きのうふぜんかぞく)の不全さをエスカレートさせます。

 

●機能不全家族とは?●

①問題のある夫(妻)と妻(夫)の関係性

②問題のある親と子の関係性

 

①か②、もしくは①②の両方の関係性をもつ家族です。理想は境界線が健全であれば機能する家族関係であるはずが、不健全な境界線であるため機能していません。「機能していない」とは、愛がない、冷たい、温かみがない、安全ではない、秘密がある、混乱している、不衛生といった、家人にとって優しくない家庭環境のこと。

 

共依存は大変わかりづらいので機能不全家族を通じて説明してみたいと思います。

 

 

 

境界線が「ない」家族関係


 

図5は、不健全さを通り越して境界線が「ない」家族関係です。

 

問題のある親(夫)に、その妻と子どもが“取り込まれて”いる状態です。

まず問題のある親とは、どのような親なのか箇条書きにしてみます。

 

・何かに依存している(アルコール、ドラッグ、ギャンブル、浪費、仕事、浮気など)

・問題行動を常に妻(夫)や子どもに対して行う(暴言、暴力)

・妻(夫)や子どもに無関心

・いつも不在がち(親としての責任を負わない)

・子どもに親の責任を負わせる

・弱い立場の者をコントロールして、その者の意志を尊重しない

 

このような親である場合、その家族関係には境界線が「ない」と言えます。

 

この家族は、問題のある親を「中心に」生活することを余儀なくされ、親の問題が常に中心になるため、そのこどもが「ないがしろ」にされるような、箇条書きで書き出した内容の「不健全な出来事」が繰り返し起こるという仕組みになるわけです。

 

境界線がないことで、弱い立場である妻(であることが多い)とその子どもは、精神的に取り込まれ、自由で「あるがままに存在する」ことを許されない状態なります。

 

 

あるがままに存在することが許されない状態とは?】

 

・自分の意志を表明できない

・自分の感情を表現できない

・自分の要求を受け取ってもらえない

・自分の欲求を無視される

・「自分」という存在をないがしろにされる

・「自分」という存在を無視されたり、無関心であるような態度で接せられる

・無関心であるかと思えば、親の気分により溺愛される

・まるで召使いのように扱われる

・「自分」という世界にひとりしか存在しない人間であるということを認めてもらえない

・暴力で支配され続ける

・「バカ」「まぬけ」「ダメな奴」などと、存在をおびやかす罵声を言われ続けることで、物事にチャレンジする精神をくじかれる

・「オマエは私の言うことを聞いていればいい」「ほら、言った通り失敗した」「絶対うまくいくハズがない」などと、コントロールされるような魔術的なことばで混乱させられた

・「オマエのせいだ」「オマエが悪い」「だから私が言っただろう」などと親の責任をなすりつけられて、罪悪感や恥辱感を植えつけられた

・「生むんじゃなかった」「オマエは橋の下で拾ってきた」「オマエはお母さんの子じゃない」などと暴言を言われ続け、無価値感を刷り込まれた

・「死ねばいいのに」などと、絶対に言ってはならないセリフを言われ、夢も希望ももてなくさせられた

 

 

 

健全に学ぶ機会を奪われた子ども


 

あるがままで存在することを許されないことで、その子どもは『信頼する』『愛する』という、人が健全に生きていく上で必要不可欠な感覚を学べません。

 

その代わりに『罪悪感(ざいあくかん)や『無価値感むかちかん、そして『恥辱感ちじょくかんを植えつけられてしまうのです。

 

以下に『罪悪感』『無価値感』『恥辱感』がどのように植えつけられるか見てみましょう。

 

 

 

 

 

子どもが『罪悪感』や『恥辱感』を植えつけられる親とのかかわり

 

子どもは日々、失敗と成功を繰り返しながら成長していきます。そのような過程において最も必要なことは、「親のぬくもりが感じられるかかわり」です。

 

具体的には、優しい声がけや温かみのあるスキンシップです。それはたとえ子どもが失敗しても「大丈夫だよ」と肯定して上げたり、ハグやほほ笑みを日々欠かさないことです。

 

ところが問題のある親のかかわり方は、失敗を繰り返す子どもを怒鳴りつけたり、場合によっては暴力を加えます。

 

幼い子どもにとって必要なことは、「ことば」による順序立てられた「説明」と、実際に成功例を「見せて上げる」ことです。そうすれば最初はできないなりにも挑戦してみようというやる気が保たれ、親の真似を繰り返すことで、いつしか子どもは「成功」するようになるのです。

 

その説明は、日々繰り返し行う必要があります。しかし不健全な境界線をもつ親は、子どもの失敗を「一方的に」怒るだけで、なぜ失敗したのか、どうすれば失敗しないのか、たとえ失敗しても次また失敗しないようにすれば良いということを「ことば」で伝えることがありません。

 

イラストのように、失敗=ダメ、悪、恥ずかしいというイメージを、暴力的な言動や成功例を見せない(時には無関心に)ことで植えつけていきます。

 

 

このような暴力的で冷たく突き放すようなかかわりを、毎日のようにされた子どものこころはどうなるでしょうか?

 

「よし!次もがんばろう」

「失敗したって何度でも挑戦するぞ!」

「失敗したのは自分の責任だ。どうすれば失敗しないで済むか考えよう」

 

果たして幼い子どもが、このような健全な考え方を自分ひとりで育み、まっすぐにスクスクと成長していくのでしょうか。

 

 

『罪悪感』や『恥辱感』を植えつけられてしまった子どもは、どんな大人になるのか考えてみます。

 

 

(どんな大人になる?⇒アダルトチルドレンになるの?)

『罪悪感』や『恥辱感』を植えつけられたまま大人になったことで、しばしば行動を制限してしまいます。

 

それは、物事を始める前に「失敗してしまうのではないか?」「もし失敗したらどうしよう?」という、自分に対する疑いの気持ちをもつことで、不安感を引き起こして制限します。

 

 

 

 

親から子どもが毎日のように批判的・否定的なことばを与えられ続けると、その子どもには『無価値感』が植えつけられます。

 

「アンタは生むんじゃなかった」

「アンタは橋の下で拾ってきた」

「アンタは私の子じゃない」

「そんなデキの悪い子はウチの子じゃない」

 

こんな酷いことを親から言われた時、その子どもはどんな気持ちになるのでしょう。

 

『無価値感』とは、自分という存在は必要とされない、取るに足らない、使い物にならない、無用の長物、ポンコツ、部屋のほこり、壁のシミ、邪魔で仕方のない粗大ゴミといったセルフイメージとなり、その子の生きていく気力を奪います。

 

 

こんな酷い扱いをされ育った人が、どうやって自分のことを肯定したり認めたりすることができるのでしょうか?

 

 

(どんな大人になる?⇒アダルトチルドレンになるの?)

何歳であっても、もし無価値感を感じているなら、アダルトチルドレンがもつ特徴に当てはまります。

 

 

(まとめ)

 

・不健全な境界線=『共依存』

・子どもは親に依存しないと生きていけない(という弱い存在)

・健全な境界線がないと、家庭内で様々な『不健全な問題』が起こる

・『罪悪感』『無価値感』『恥辱感』を感じるなら、アダルトチルドレンである可能性が高い

 

 

 

 

 

中心的問題である『恥辱感』


 

 

図6恥辱感と強迫的行為のサイクルは、親に何度も恥ずかしい思いをさせられたその子どものこころが、「恥ずかしい」という思いで一杯になる仕組みを図式化したものです(「真の自己」とは、インナーチャイルドを意味します)。

 

このサイクルは、何度も恥をかかされた子どもが「自分のこころを壊さないようにする」ためにつくられたものです。

 

人は誰であっても、何度も恥をかかされては『自尊心』(じそんしん:自分を大事にするこころ・慈しむこころ)を育むことはできません。

 

本来世界一愛している・愛してくれるハズの親から、何度も恥ずかしい思いをさせられることによって、その子どもは混乱し、少しずつ誰のことも信じられなくなります(自分のことも)。

 

そして恥辱感を植えつけられると同時に『罪悪感』も植えつけられることになります。

 

それは「親の期待に応えられない自分はダメな存在なのだ」“としか思えない”ために『罪悪感』となります。

 

その過程では「現実に起こっていることと、親の言動が一致しない(親の言っていることとやっていることが違う)という矛盾を、幼い子どものこころは何とか受け入れようとします。

 

なぜなら子どもは『無条件に親のことを生まれながらにして愛している』からです。

 

しかし、なかなか受け入れられません。

 

それは、子どもの考え方や物事の捉え方というものは本来「健全で歪んで“いない”重要ポイントからです。

 

ところが繰り返し問題のある親の言動により少しずつその子どもの考え方と物事の捉え方は《歪んでいきます》。

 

 

○子どもは元々健全で歪んでいない

×問題のある親が育てる

▼子どもの認知は歪む

 

 

このような過程を経てその子どもは、現実をありのままに捉えられなくなっていき『他の人と比べて正しく生きられない自分は無価値な存在なのだ』という『思い込み罪悪感)』になっていくのです幼い子どもはその真実〔現実〕を見抜く力はまだもっていないために、日々「自分はダメな奴だ」という思い込みが強化されていきます)

 

 

しかし(一般的には)その子どもが小学生、中学生、高校生になっていく成長過程で「どうやら(もしかしたら)ウチの家族は普通じゃなかったんだ!」という認識を持ち始めるのです(自我の芽生え→成長→健全な環境ではない→自我が健全に育たない)。なぜなら他の家族について知る機会が増えるからです。

 

友だちの親と自分の親を比べて、あまりにもその違いに愕然とします(または、周りの親たちも問題のある親である場合があり、「お前の家もか」「大変だよね」などと友だち同士で慰め合うという関係になる可能性もあります)。

 

「ウチの親は普通ではない」

 

そのような現実を突きつけられて、恥をかかされ続けていたことに気づきます。その気づきにより親に対する不信感が生まれます。

 

 

この過程を経て「親を信じられないのに、他人を信じることなど不可能である」という思いを、アダルトチルドレンはもち続けるのです。子ども時代に親から学んだことが大人になって通用しないことで生きづらさを感じる

 

 

 

 

アダルトチルドレンが抱える気持ち


 

 

不健全な境界線をもつ問題がある親に育てられたとしても、何とか成長し大人になったアダルトチルドレンは、大人になることと引き替えに、自分の感情を慢性的に抑えて込んでしまう傾向にあります。

 

なぜなら、そのように子どものころから誰に教わるでもなく生きてきたからです。抑え込まなければ、生きられなかったからです。

 

 

ところが、子どものころに抑え込んでいた様々な感情はなくなりません。それがモヤモヤやムシャクシャの正体です。

 

 

どうすれば癒されるのか?


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。アダルトチルドレンについて少しご理解いただけたでしょうか。

 

ここまでで、アダルトチルドレンであるか否かを判断する材料として、『境界線』や『共依存』、そして『恥辱感』について見てきました。

 

読まれた方の中には「自分はアダルトチルドレンではない」と思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、それもまた自然な反応かと思います。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

ここからは「アダルトチルドレンのこころの傷は癒やせるのか?」というメインテーマについて考えていきます。

 

 

そもそもなのですが、アダルトチルドレンであると感じた人の親御さんはアダルトチルドレンなのではないか?という素朴な疑問も出てくるかと思われます。そうですね、もしかしたらそうなのかも知れませんね。

  

アダルトチルドレンという考えには、『世代間連鎖(せだいかんれんさ)があります。これは、不健全・不適切な考え方、物事の捉え方、そして行動が次世代に引き継がれていくという考えです。

 

この考え方からすると、もしかしたらそちらの親御さんもアダルトチルドレンなのかもしれませんが、大事なことは本人がアダルトチルドレンであるということを受け入れて、それでも自分が望む生き方に変えていくことだと思います。

 

では実際に、どのような過程を経てアダルトチルドレンの課題・問題を克服していけば良いのか見てみましょう。

 

 

 

 

回復の4ステップ


 

回復の4ステップ

 

(1)過去を知る

(2)過去と現在をつなげる

(3)自分のなかに取り込んだ信念に挑む

(4)新しいスキル(生きる上での技能)を学び実践する

 

アダルトチルドレン専用カウンセリングでは、上記の『回復の4ステップ』を採用しております。こちらの4ステップを最後までやり遂げることができれば、「アダルトチルドレンである人の状態」から『アダルトチルドレンではない人の状態』になることができます。

 

(1)過去を知る

自分が子どものころに体験したことについて話します。カウンセリングという秘密が守られた安全で安心できる場所で、繰り返し体験したことを話します。

 

体験について話すときは、できるだけ気持ちを話ます。この過程では、抑え込んでいる感情を表現します。様々な感情で一杯になった「こころ」は、感情を出さないと余裕(余白)が生まれません。感情を出してみると、自分が本当は何を大事にしたかったのか気づけます。そして失ったものを悼み(いたみ)嘆き(なげき)悲しむグリーフワークへとつながります。

 

 

(2)過去と現在をつなげる

過去に経験したことが、現在の自分にどのような影響を与えているのかをカウンセリングを通じてつかんでいきます。

現在の自分の課題・問題に焦点を移すステップです。

 

(アダルトチルドレンの主な課題・問題)

・ネガティブな思考を繰り返してしまう

・感情を自由に表現できない

・恋愛がうまくいかない

・衝動的に行動してしまう

・強迫的に自分を追い詰めてしまう

・完璧主義(こだわり)

・誤解を招く言い方をしてしまう

・自分がやりたいことができない

・本当はして上げたい気持ちがあるのに出来ない

・やりたいことと逆のことをしてしまう

・本音が言えない

・お願いができない

・甘えられない

・怒れない、泣けない

・見捨てられ不安

・依存  など

 

 

(3)自分のなかに取り込んだ信念に挑む

子どものころから親に植えつけられてきた『信念』について点検します。

 

(親に植えつけられてきた信念)

・白か黒の思考

・すべき・すべきではないという思考

・「~であるべき」

・相手に~であって欲しい・あるべきと過度に期待する

・執着心

・自分はダメな存在

・男(女)であらねばならない

・劣等感

・成長してはならない

・どんな時もどんなことであっても、親の言うことは絶対

・自分を犠牲にして生きる

・お金は汚いモノ

・世間は怖い

・世間に恥ずかしい

・『みんな』~と思っている

・『みんな』~だから大丈夫

 ・生まれてきた意味はない

 

自分の助けになっている信念はそのままに、自分を窒息しそうなほど苦しめている「内なるメッセージ」は、健全なメッセージに置き換えます。

置き換えることによって、少しずつ自分を肯定できるようになります。

 

例)

・白か黒の思考 → グレーや他の色(選択肢)もあっていい

 

・すべき・すべきではないという思考 → してもしなくても自分は大丈夫

 

 

(4)新しいスキル生きる上での技能を学び実践する

自分にとって必要であると認めた『アダルトチルドレンではない人の状態』になるために、新しいスキルを学び実践します。

 

(新しいスキル)

・自分を肯定する

・自分を認める

・自分をほめる

・自分を労う

・自分を励ます

・自分を癒す

・自分の声を聴く

・自分を教育する

・必ずしも自分の考えや要求が受け入れられるとは限らないということを学ぶ

・相手や自分のやり方に執着しない

・自分の能力や才能を発見したり認めたりして育てる

・相手に依頼する

・助けを求める

・問題から逃げずに解決する

・相手の声に耳を傾ける

・明確な目標設定を第3者に過程も含め確認してもらう

・『No』と明言し自分ができないことは断る

・何の気兼ねもなく遊ぶ

・楽しみを見つけ罪悪感なく遊ぶ

・リラックスする

・自分の直観を信じて、選択し決断したら行動を習慣化する

 

このような新しいスキルが、アダルトチルドレンにとって有益で習得できれば、過去にとらわれず、未来を心配せず、今を心から楽しめます。

 

 

まとめ

4ステップをやり遂げることができたら、ひとりで考え選択し、行動を続けることができるようになります(自分との対話ができて望む選択ができるようになる)。この状態になれば、『健全な境界線』をもてていて、『共依存』に巻き込まれないようになり、『恥辱感』は解消されています。

 

こんな風になれたら「アダルトチルドレンではない人の状態」になれ、子ども時代に親から学んだことで感じていた生きづらさを感じたとしても、動揺せず適切・適度な言動ができるようになっていきます

 

 

 

 

最後に


 

 

 

人は誰でも、「生まれてきてくれて、ありがとう」と言われたいと思いますし、言われて当然だと思います。しかし、アダルトチルドレンと呼ばれる生き方となっている人の多くは、このような温かみのあることばを、親から言われたことがないと言います。また、親から謝ってもらったことはないとも言います。

 

「なぜ?」「どうして?」

 

こんな風に大人になった今でも感じることが多いなら、もしかしたら子ども時代に親から味わったつらい経験により、自分の感情を抑え込んでいる可能性があるのかもしれません。我慢することが当たり前になっているのかもしれません。

 

 

「そりゃ感情を抑え込むよ。だって感情を自由に表現するのは怖いから」こんな意見もあります。

 

そうですよね、怖いですよね。それができたら苦労はしないですよね。

 

 

「本当はどうしたいのか?」ということは、自分が一番よくわかっている。だけど、できない。でも、したい。

 

 

こんな風に気軽には人に言えないけれど、誰かに気持ちを聞いてもらいたいと思っている人のお役に立てればと思いこのページを書いてみました。

 

 

アダルトチルドレン専用カウンセリングを受けられたい方は、カウンセリング料金をご確認の上お申込みください。

 

最後までお読みいただいて、誠にありがとうございました。自分の望む生き方ができるようになると良いですね。

 

 

 

 

 

出口

 何百、何千という回復者の経験から、私たちはこの恥辱感の緊縮、拘束的作用からの出口があること、つまり、私たちの苦難の物語を、安全で支持的な他者に話すことが効果的であることを知っています。

 私たちがさらけ出し分かち合うのは、あらゆる弱み「と」強みをもった内なる子ども、真の自己です。ひとりでは恥辱感を癒すことはできません。私が私自身を癒す手助けをしてくれる他者が必要です。彼らは私たちの苦境と痛みを受け止め、あるがままの私たちを受け入れてくれます。そして私たちが彼らの物語に耳を傾けるとき、私たちは、彼らが彼らの恥辱感を癒す助けとなっています。そうすることは、『私たちを』助けることでもあります。そうした分かち合いと、聞くことによって、私たちは無条件の愛の原則を実行し始めるのです。

 こうした分かち合いと物語の語り合いは、毎日、自助グループ、グループや個人のセラピー、親しい友人間において無数に行われています。

『内なる子どもを癒す』p.77「第6章恥辱感と低い自尊心のダイナミクス」より抜粋


【参考文献】

『私は親のようにならない』(改訂版)クラウディア・ブラック著/斎藤学監訳/誠信書房2004年刊

『アダルトチルドレン・シンドローム』ウェイン・クリッツバーグ著/斎藤学監訳・白根伊登恵訳/金剛出版1998年刊

『内なる子どもを癒す』C・L・ウィットフィールド著/斎藤学監訳・鈴木美保子訳/誠信書房1997年刊

『なぜいつもあなたの恋愛はうまくいかないのか』ジャネット・G・ウォイティツ著/新沢ひろ子訳/学陽書房1999年刊

『児童虐待と共依存』ピア・メロディ著/内田恒久訳/そうろん社2002年刊

『インナーチャイルド本当のあなたを取り戻す方法』(改訂版)ジョン・ブラッドショー著/新里里春訳/NHK出版2001年刊

『共依存症 心のレッスン』/メロディ・ビーティー著/村山久美子訳/講談社2011年刊