自分は賞賛されるべきだ

 

人からほめられたい、賞賛され認めてもらいたい!という欲求は誰しもあると思います。しかし、賞賛されたいと過度に求め過ぎて、自分だけが注目されれば良く、周りは自分を引き立たせるただのエキストラであるなどと振る舞い続けてしまうと批判の対象となったり、集団生活を送りづらくなったりするかと思われます。

 

次の9つの項目を読まれ、5つ以上当てはまるようなら、あなたは少々共感性に難があるのかもしれません。

 

 

1.自分はどこに居ても、重要人物である(例:業績や才能は必ず賞賛されるべきだ、自分は他人よりいつでも優れていて自分の能力は認められて当然だと思う)。

2.自分には限りない成功や権力、才気、美しさ、あるいは至極の愛で包んでくれるパートナーにいつも恵まれたい。

3.「自分」という存在は特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たち(または団体)だけが理解しうるのだと思うし、または彼らだけが自分と関係があるべきだと思う。

4.賞賛されるのは当たり前である。

5.自分はいつも特別扱いをされて当然である。なぜならそれだけの価値ある人物だからである。

6.相手はいつも自分に尽くさなければならない。

7.実は、相手の気持ちというものがよくわからない。それによってトラブルになるときがある。

8.しばしば嫉妬する。または他人から嫉妬されていると感じることがよくある。

9.どこに居ても、自分が一番であり尊重され優遇されたい。

 

 

読まれてみていかがでしたか。自分という存在を第三者の立場から客観的に見ることはなかなか難しいことのように思います。自分は特別な存在であり、そう主張できるだけの実績が証明できるのであれば、職場やサークル、家庭でも一目おかれる存在として認められることでしょう。

 

しかし実績がなく空想の世界に浸って現実世界を見つめることが難しい場合、仕事や家庭で充実していると正直に言えるでしょうか。

 

このような「自分が一番だ」と主張し続けたい人が精神的につまずき、挫けてしまうキッカケが人生において2回あると言われています。

 

まず一つ目が就職時です。直属の上司が自分の自己愛を満たしてくれないケース。二つ目は結婚です。同じくパートナーが自分の自己愛を満たしてくれないケース。

 

自己愛とは、子どもが自慢したり、高ぶったり、自惚れたりしたときに、主に母親がそれらを肯定的・共感的に支えることで育まれる健康的な自尊心や向上心のことを呼びます。こうして育まれた自己愛を感じられる人は、自分を大切にして生きています。

 

しかし、子ども時代に母親からけなされたり、そしられたり、腐し、バカにされ続けると健康的な自己愛は育まれず、歪な自己愛となってしまい、自分を大切にできず、大人になり共感性に難がある人となってしまうと考えられます。

 

このような子ども時代を過ごした人のこころの奥底には、計り知れない「恥の意識」があり、等身大の自分を認めることに困難さを感じるかと推察されます。

 

こうした共感性が薄いことで人間関係がうまく築けず、コミュニケーションが円滑に取れない感覚がある人の気持ちのなかには、弱々しい自分が隠れているように思います。そんな弱い自分を知られないために現実世界の自分は、強がり自分を大きく見せようとして、自分のことを他人にわかってもらうために陰ながら努力している人もあるように思います。

 

このような自己愛にまつわるエピソードをもつ人は、周りから共感や賞賛が得られない場合、気に病み、人によってはうつになり仕事や家庭に支障をきたすケースがあります。

 

このため回復を促すには、しっかりと療養をすることや、体調が整ったら、少しずつ自分と向き合うトレーニングをお勧めします。感覚的な問題であるためなかなか自己トレーニングをすることは難しいとは思いますが、元々もっている能力は高いかと思われますので、様々な方法を思索して試してみるのも価値があると思います。